リード獲得は、マーケティング活動の重要なプロセスの一つです。
ただ、漠然とリードの獲得を目指しても、その目的や手法を決めて行わなければ時間と費用を浪費する結果に終ることでしょう。
そこで今回は、リードを獲得するための営業活動を効率良く行う方法を詳しく解説します。
企業のマーケティングに携わっている方はもちろん、リード獲得についてもっと知りたいという方も、ぜひ参考にしてください。
リード獲得とは?
リード獲得とは、これから顧客になる可能性が高い「見込み顧客」を獲得を見つけ出すこと。顧客に対して商品やサービスを販売したり、売買契約を結ぶといった行為の前段階の状態です。
あくまでも、自社の商品やサービスに興味があり、これから先顧客となる可能性がある個人や企業がリードです。
リードを獲得した企業は、その見込み客に対し様々な手段でアプローチします。そして、購入や契約に至るための活動を行い、最終的なコンバージョンに向けた営業を活動を行います。
このように、リード獲得とは、最終的なコンバージョンを指す言葉ではなく、これからの営業対象となる見込客へのアプローチを行うための手段を獲得することです。
リード獲得の定義はそれぞれの企業によって異なりますが、一般的には社名や担当者氏名の連絡先などが記載された名刺情報が分かればリード獲得となります。
リードを獲得する目的とは?
リードを獲得する目的は、リードの中から優良な顧客を増やし、最終的に売上げを伸ばすことです。
ただ、従来の飛び込み営業のような手法では、効率良く営業を行うことができません。
そこで、近年急速に進歩しているインターネットやデジタル技術を使い、効果的に見込み客を獲得する手法が広まっているのです。
その中でも、様々な業種や業態に合わせたマーケティングツールを活用することで、営業活動は飛躍的に進化しています。
リード獲得の方法一覧11選【オンライン・オフライン別】
リードを獲得するための活動を「リードジェネレーション」と言います。
このリードジェネレーションが成功することによって、企業の売上げが安定し、事業が拡大していくのです。
ここでは、リード獲得の方法を「オンライン」と「オフライン」に別けて紹介します。
オンラインでのリード獲得方法6つ
最近では、買い物や調べものにインターネットを利用することが一般的となっているため、オンラインによるリード獲得が広く行われています。
特にオンラインで行うリード獲得は、費用が安くできる上に時間や距離の問題がなく、効率の良い営業が可能です。
以下では、効果的なオンラインのリード獲得方法を6つ紹介します。
1.SEO/コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、自社の商品やサービスを知らない潜在顧客を、見込み顧客へと育成する方法です。
オウンドメディアを制作し、そこで商品やサービスを発信するのが一般的な手法となります。その中で、上位に検索表示されるためのSEO対策を行います。
最近では動画コンテンツも注目されており、商品やサービスを動画で紹介したり、作成したプロモーション動画をYouTubeで配信する方法も積極的に行われています。
2.Web/SNS広告
Web広告やSNS広告には、ユーザーの検索結果によって配信される「リスティング広告」や、あらかじめ決まられた広告枠に表示される「ディスプレイ広告」などがあります。
最近では、Web広告やSNS広告においても積極的に動画広告が使われるようになりました。高速通信が可能になっていることもあり、今後は更に動画広告が増えることでしょう。
このように、Web広告ではテキストや動画などさまざまな配信方法をターゲット別に選べるため、精度の高い広告掲載が可能です。
3.SNSアカウント運用
SNSのアカウントを運用する方法では、FacebookやTwitter、Instagramなどを利用します。
これらのSNSもリード獲得ツールとして注目されており、リアルタイムに素早く情報発信ができる点で優れています。
SNSを利用する際は、自社の商品やサービスを利用するターゲットの属性と、SNSユーザーの属性をマッチさせることが重要です。
4.メールマガジンの配信
メールマガジンの運営は、メールアドレスを登録しているリードに限定される方法となります。
メールマガジンの配信では、見込み客が登録した後も見続けてくれることが前提となりますが、顧客との信頼関係を構築しやすいのがメリットです。
近年では、顧客の興味や関心に合わせて異なる内容のメールを自動配信できる「マーケティングオートメーションツール」が普及したことで、大きく進歩しています。
5.ウェビナー(オンラインセミナー)の開催
ウェビナーは、オンライン上で開催されるセミナーのこと。ウェビナーのメリットは、どこの場所にいても参加できることや、一般的なセミナーにかかるコストを大幅に削減できることなどがあります。
また、セミナーの開催により商品やサービスの情報を多くのリードに伝えられ、リアルタイムに質問を受けることも可能です。
ウェビナーの配信方式には「リアルタイム配信」と「録画配信」の2種類があります。
6.外部メディアへの広告出向
リード獲得の広告の出稿先は、他社が運営しているメディアでも行われています。
掲載するメディア媒体を選ぶ際は、自社の商品やサービスに関連するワードで検索したときに上位表示されているサイトが良いでしょう。
そうすることで、自社の商品やサービスに興味のあるリードが獲得しやすくなります。
オフラインでのリード獲得方法5つ
ここまで、オンラインによるリード獲得の方法を紹介しましたが、リードとなる企業や個人によっては、オフラインでのリード獲得が適している場合もあります。
ここでは、オフラインによるリード獲得施策を5つ紹介します。
1.セミナー開催
セミナーでは、見込み顧客と直接コミュニケーションを取ることができるため、最終的な受注まで獲得できる有効な手段と言えます。
2.展示会出展
展示会では、自社の商品をアピールするには絶好の場。また、同業他社も参加しているケースが多く、他社の戦略や新製品を調査する機会にもなるでしょう。
来場する顧客も、もともと自社の商品や同じジャンルに興味がある人なので、高確率でリードを獲得できる可能性があります。
3.テレアポ
テレアポも従来からある手法ですが、もっともコストと時間がかからないリード獲得法の1つでもあります。
リード獲得では、アウトバウンド型のテレアポが主流となるため、基本的に顧客への架電リストが必要となります。できるだけリード獲得率の高いテレアポを行うためには、精度の高い顧客リストが必要です。
4.飛び込み営業
飛び込み営業とは、顧客リストや会社案内などから、ある程度の“あたり”をつけた企業へアポを取らずに営業をかける手法です。飛び込み営業では、直接企業の担当者と接点が持てるため、上手く行けば信頼関係を築けるチャンスとなります。ただ、営業スキルが高くないと成功率が低くなるでしょう。
5.ダイレクトメール送付(DM)
オフラインのダイレクトメールとは、郵便物やFAXによる資料送付です。
商品やサービスの案内資料やパンフレット、サンプル商品などを、直接見込み客へ送付します。そして見込み客が興味を持った場合は、送付物に記載した電話番号やメールアドレスなどへ返信をもらう形でリードを獲得を行います。このアウトバウンドからインバウンドへ繋げる手法は、オフラインだけでなくオンラインでも行われる手法です。
リード獲得後のナーチャリングとは?
リードを獲得した後は、見込み顧客をナーチャリング(育成)しながら優良顧客へと育てていきます。
以下では、リードを獲得してからのマーケティング活動について解説します。
ナーチャリングの意味は?
マーケティングにおけるナーチャリングとは、集客されたリードの興味や関心を高める育成施策のこと。
「顧客を集めるリード獲得」と「お客さんに売るコンバージョン」の間に位置するのがナーチャリングで、インバウンドマーケティングの特徴的なプロセスです。
集客した見込み顧客(リード)に商品やサービスをすぐに売り込むのではなく、じっくりと製品の情報を提供しながら、リードの興味や関心を高め、成約率とリピート率を向上させる戦略がナーチャリングなのです。
リード獲得とナーチャリングの関係性
上記のように、リード獲得とナーチャリングには、そのコンバージョンに向けた明確な流れがあることが分かります。
以下では、具体的なナーチャリングを5つのステップで解説します。
具体的なナーチャリングを5つのステップで解説!
それでは最後に、具体的なナーチャリング施策の5ステップを解説します。
ステップ1.集めたいリード顧客の特徴を整理する
リード獲得で最も重要な要素は、リードの属性を絞り込むことです。Webメディアを使う場合であれば、サイトを閲覧者するであろうリードの年齢層、性別、役職など、できるだけ細分化した属性で絞り込むことが必要となります。
属性が絞り込めれば、そのターゲットとなる属性には、どのような手法でリード獲得をすれば良いかの方法が見えて来るでしょう。
ステップ2.リード顧客を集める手法を検討する
リードの獲得に欠かせないのが「コンテンツの充実」です。オンラインであればWebサイトやWeb広告、ウェビナー内容の充実などがあります。また、オフラインでもパンフレットや営業資料の充実は、リード獲得に欠かせないコンテンツとなります。
顧客の自社商品への理解度や、親しみ具合を計りながらコンテンツを作り込んでいきましょう。
ステップ3.手法に合わせてコンテンツを制作する
コンテンツの作成には、リードに合わせるとともに、その獲得手法に合わせたコンテンツ制作が求められます。パンフレット形式であれば、美しく見やすい写真とテキストによって、詳しく商品を紹介できます。また動画の場合には、映像と共に、BGMやナレーション、字幕などで顧客がより魅力的に感じる動画の作成が求められます。
特に、現在のようなオンラインが主流のインバウンドマーケティングでは、これらのコンテンツを複合的に用いることが容易となるため、できるだけ他社にはない新しい視点を取り入れたいところです。
ステップ4.コンテンツを配信しリード顧客を獲得する
リード獲得のコンテンツが出来上がれば、コンテンツの配信を行います。オンラインで配信を行う場合は、ユーザーの情報を入手しやすいため、そのデータを基にしてコンテンツを改良しながら獲得率を高めてきましょう。
そして、ここで重要となるのが「ナーチャリング」です。リードの獲得から、自社の商品やサービスの優良顧客のなってもらうために、どのようなコンテンツを段階的に配信すべきかを考え、中長期的なプランを計画・実行することが必要です。
ステップ5.獲得したリードをナーチャリング(育成)する
リードナーチャリングのポイントは、情報を確認したリードに対し、次にどのような情報を配信することで優良顧客に成長するかという問題です。
既存客の行動などを参考にしながら、リード獲得から購入に至るまでのプロセスを分析し、必要なコンテンツを段階別に準備しましょう。
しかし、リードの行動を個別に把握し、そのリードに対してアプローチすることは困難です。そこで、このようなリードの情報を一元管理し、業務を効率化するマーケティングオートメーションツール(MA)が役立ちます。マーケティングオートメーションツールを活用することで、リード獲得の成果が向上しコストが下がるだけでなく、優良な顧客の獲得に寄与することでしょう。